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#0003伊藤博文01/07/01 13:18
お答えします
---> 岩瀬 敏教 さん

 早速、書き込みありがとうございます。私の拙い講義を聴いていいただき、コメントまでいただいて感謝しております。岩瀬さんの質問に対しては、時間が無く十分にお返事ができず申し訳ありませんでした。また一部的はずれな答えになってしまったかなと講義後反省しておりました。以下にわかる範囲でお答えさせていただきます。

>>インターネット(電子メール)における「通信の秘密」について質問
>>させて頂いた者です。
 質問ありがとうございました。質問時にまず脳裏をよぎったのは「犯罪捜査のための通信傍受に関する法律(平成11年8月18日号外法律第137号)」のことで、プライバシー保護の関連からの質問かなと思ったのです。この思いこみから、ちょっと的はずれになったかも知れませんね、お許しを。

>>先生の今日のお答えの中の「川の流れの中から言葉をすくう」よう
>>なもので簡単に通信の内容が分かってしまいそれに対応するように暗
>>号化があるとおっしゃられました。
 はい、そうです。今このように書いている文字もインターネット経由で岩瀬さんのコンピュータ画面に文字が表示されていますが、これはインターネット上をデジタル信号の文字データがパケットとして送信されているだけですので、のぞき見ることは可能です。ですから、これらを拾い集めてその通信内容を見ることも可能なわけです。これを防ぐには、暗号化して文字データを送るという方法が一番効果的であると思います。非効率的で実効力も疑わしい法律により規制するより、ネットワーク技術の方が、より効果的で確実な成果が上げられると考えるからなんです。

>>私もインターネットを若干利用していますが、プロバイダーは私が送
>>ったメールの内容を知っているような感じがしますし、テレビで犯罪
>>が報道されるときに被疑者はいついつどこどこへ電話あるいはメール
>>をしたと報道される時があります。
 そうですね、絶対に無いとは言えません。メールの送受信をするにはインターネット上にメールサーバーが必要です。このメールサーバーも殆どはUNIXというOSで動いています。各メールサーバーには管理者がいてトラブルに対処することとなっていますが、この管理者には絶大な権限があり、メールサーバー上にあるファイルは全て読むことができます。またメール送受信の記録(log)が残されますので、誰が誰宛に何時何分何秒にメールを送ったかは記録されています。したがって、その気になれば管理者(あるいは管理者になりすました者)がユーザーすべてのメールを読むこともできます。インターネットは基本的に性善説に立って出来上がったシステムですから、悪意のある管理者に対しては殆ど無防備状態なのです。しかし、暗号化することによりこの問題はかなり回避することができます。
 また最近の携帯電話でも通信記録が残りますよね。携帯電話料金の請求の為に記録が残されるのは当然ですが、携帯電話の通信記録には通話時間だけでなく、通信場所まで記録されているようです。ですから、発信者の特定しにくいプリペイド携帯でも通信基地との位置関係から、通話場所が特定され、これが犯罪捜査の資料として利用されているようで実際に事件解決に役立っているようです。つまり、高度な管理社会というのはこのような意味で、知らない間に私たち個人が管理されていて、これが詰まるところは、大変息苦しい社会になる可能性が極めて高いといえるのではないでしょうか。

>>郵便については発信者の秘匿も含め厳格に通信の秘密が守られている
>>ような感じがしますが、インターネットにもそのような個人のプライ
>>バシーを守るための何らかの工夫をする必要があると思いますがいか
>>がでしょうか。
 日本国憲法第21条2項は、「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」と規定しています。通信の秘密を暴くようなことは許されないのは憲法上の基本的人権として保障されています。しかしこの条項だけでは不十分ですので、もっとインターネット時代にふさわしい法律が必要となることは当然でしょうね。この話をすると「テクノロジーが法を越える」と矛盾するように思われるかもしれませんが、実は技術というものは、使う人の目的意識によって、毒薬にも特効薬にもなるわけです。ですから、法がその技術に対して理念的な保障をするという意味で、法の存在意義はあるかなと私は考えています。

>>また、例えば今後、税金について電子申告が実施された場合、その情
>>報はアメリカによってすべて把握されてしまうと言う人がいますが、
>>起こり得ることなのでしょうか。
 無いとは言えませんが、なぜ"アメリカによってすべて把握されてしまう"のかはわかりません。セキュリティの甘いシステムは必ずクラッカーの餌食になります。情報のセキュリティという意味は今後ますます強調される言葉になると思います。岩瀬さんのニュアンスから言えば、日本もアメリカに対抗し得る情報技術力を身につけないとダメだということですよね。

 以上、長々と書きましたが、これが岩瀬さんの質問に対する答えになりましたでしょうか? 私は何でも知っている訳ではありませんので(当たり前のことですが)、正直なところ、これからのネットワーク社会がこうなるんだと細かい点まで予想はできません。これらは、今後私たちが一緒に考えていくべきことなんですよね。また、ご意見お聞かせ下さい。


#0002岩瀬 敏教01/06/30 21:32
質問
インターネット(電子メール)における「通信の秘密」について質問させて頂いた者です。先生の今日のお答えの中の「川の流れの中から言葉をすくう」 ようなもので簡単に通信の内容が分かってしまいそれに対応するように暗号化があるとおっしゃられました。
私もインターネットを若干利用していますが、プロバイダーは私が送ったメールの内容を知っているような感じがしますし、テレビで犯罪が報道されるときに被疑者はいついつどこどこへ電話あるいはメールをしたと報道される時があります。
郵便については発信者の秘匿も含め厳格に通信の秘密が守られているような感じがしますが、インターネットにもそのような個人のプライバシーを守るための何らかの工夫をする必要があると思いますがいかがでしょうか。
また、例えば今後、税金について電子申告が実施された場合、その情報はアメリカによってすべて把握されてしまうと言う人がいますが、起こり得ることなのでしょうか。

#0001伊藤博文01/06/30 10:45
ありがとうございました
 講義を聴かれた感想や意見をお聞かせ下さい。


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