シン キュウ 変更ヘンコウ箇所カショ
第五編 相続 第五編 相続  
第一章 総則 第一章 総則  
(相続開始の原因)    
第八百八十二条 相続は、死亡によって開始する。 第八百八十二条 相続は、死亡によつて開始する。 第八百八十二条に見出しとして「(相続開始の原因)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に改める。
(相続開始の場所)    
第八百八十三条 相続は、被相続人の住所において開始する。 第八百八十三条 相続は、被相続人の住所において開始する。 第八百八十三条に見出しとして「(相続開始の場所)」を付する。
(相続回復請求権)    
第八百八十四条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から五年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様とする。 第八百八十四条 相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知つた時から五年間これを行わないときは、時効によつて消滅する。相続開始の時から二十年を経過したときも、同様である。 第八百八十四条に見出しとして「(相続回復請求権)」を付し、同条中「知つた」を「知った」に、「これを行わない」を「行使しない」に、「よつて」を「よって」に、「である」を「とする」に改める。
(相続財産に関する費用)    
第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から支弁する。ただし、相続人の過失によるものは、この限りでない。 第八百八十五条 相続財産に関する費用は、その財産の中から、これを支弁する。但し、相続人の過失によるものは、この限りでない。 第八百八十五条に見出しとして「(相続財産に関する費用)」を付し、同条第一項中「、これを」を削り、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
2 前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によって得た財産をもって支弁することを要しない。 2 前項の費用は、遺留分権利者が贈与の減殺によつて得た財産を以て、これを支弁することを要しない。 同条第二項中「よつて」を「よって」に、「以て、これを」を「もって」に改め、同項に項番号を付する。
第二章 相続人 第二章 相続人  
(相続に関する胎児の権利能力)    
第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。 第八百八十六条 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。 第八百八十六条に見出しとして「(相続に関する胎児の権利能力)」を付し、
2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、適用しない。 2 前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。 同条第二項中「これを」を削り、同項に項番号を付する。
(子及びその代襲者等の相続権)    
第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。 第八百八十七条 被相続人の子は、相続人となる。 第八百八十七条に見出しとして「(子及びその代襲者等の相続権)」を付し、
2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。 2 被相続人の子が、相続の開始以前に死亡したとき、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によつて、その相続権を失つたときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。但し、被相続人の直系卑属でない者は、この限りでない。 同条第二項中「よつて」を「よって」に、「失つた」を「失った」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同項に項番号を付し、
3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によって、その代襲相続権を失った場合について準用する。 3 前項の規定は、代襲者が、相続の開始以前に死亡し、又は第八百九十一条の規定に該当し、若しくは廃除によつて、その代襲相続権を失つた場合にこれを準用する。 同条第三項中「よつて」を「よって」に、「失つた」を「失った」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
第八百八十八条 削除 第八百八十八条 削除  
(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)    
第八百八十九条 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。 第八百八十九条 左に掲げる者は、第八百八十七条の規定によつて相続人となるべき者がない場合には、左の順位に従つて相続人となる。 第八百八十九条に見出しとして「(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)」を付し、同条第一項を次のように改める。 次に掲げる者は、第八百八十七条の規定により相続人となるべき者がない場合には、次に掲げる順序の順位に従って相続人となる。
一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。 第一 直系尊属。但し、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。  一 被相続人の直系尊属。ただし、親等の異なる者の間では、その近い者を先にする。
二 被相続人の兄弟姉妹 第二 兄弟姉妹  二 被相続人の兄弟姉妹
2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合について準用する。 2 第八百八十七条第二項の規定は、前項第二号の場合にこれを準用する。 第八百八十九条第二項中「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(配偶者の相続権)    
第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、第八百八十七条又は前条の規定により相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。 第八百九十条 被相続人の配偶者は、常に相続人となる。この場合において、前三条の規定によつて相続人となるべき者があるときは、その者と同順位とする。 第八百九十条に見出しとして「(配偶者の相続権)」を付し、同条中「前三条」を「第八百八十七条又は前条」に、「よつて」を「より」に改める。
(相続人の欠格事由)    
第八百九十一条 次に掲げる者は、相続人となることができない。 第八百九十一条 左に掲げる者は、相続人となることができない。 第八百九十一条に見出しとして「(相続人の欠格事由)」を付し、同条中「左に」を「次に」に改め、
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者 一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位に在る者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者 同条第一号中「在る」を「ある」に改め、
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。 二 被相続人の殺害されたことを知つて、これを告発せず、又は告訴しなかつた者。但し、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であつたときは、この限りでない。 同条第二号中「知つて」を「知って」に、「告訴しなかつた」を「告訴しなかった」に改め、同号ただし書中「但し」を「ただし」に、「あつた」を「あった」に改め、
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者 三 詐欺又は強迫によつて、被相続人が相続に関する遺言をし、これを取り消し、又はこれを変更することを妨げた者 同条第三号中「よつて」を「よって」に、「、これを」を「、撤回し、」に、「又はこれを」を「又は」に改め、
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者 四 詐欺又は強迫によつて、被相続人に相続に関する遺言をさせ、これを取り消させ、又はこれを変更させた者 同条第四号中「よつて」を「よって」に、「、これを」を「、撤回させ、」に、「又はこれを」を「又は」に改める。
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者 五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者  
(推定相続人の廃除)    
第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。 第八百九十二条 遺留分を有する推定相続人が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があつたときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。 第八百九十二条に見出しとして「(推定相続人の廃除)」を付し、同条中「有する推定相続人」の下に「(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)」を加え、「あつた」を「あった」に改める。
(遺言による推定相続人の廃除)    
第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければならない。この場合において、その推定相続人の廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。 第八百九十三条 被相続人が遺言で推定相続人を廃除する意思を表示したときは、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、遅滞なく家庭裁判所に廃除の請求をしなければならない。この場合において、廃除は、被相続人の死亡の時にさかのぼつてその効力を生ずる。 第八百九十三条に見出しとして「(遺言による推定相続人の廃除)」を付し、同条中「家庭裁判所に廃除の請求をしなければ」を「、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求しなければ」に、「廃除は」を「その推定相続人の廃除は」に、「さかのぼつて」を「さかのぼって」に改める。
(推定相続人の廃除の取消し)    
第八百九十四条 被相続人は、いつでも、推定相続人の廃除の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 第八百九十四条 被相続人は、何時でも、推定相続人の廃除の取消を家庭裁判所に請求することができる。 第八百九十四条に見出しとして「(推定相続人の廃除の取消し)」を付し、同条第一項中「何時でも」を「いつでも」に、「取消」を「取消し」に改め、
2 前条の規定は、推定相続人の廃除の取消しについて準用する。 2 前条の規定は、廃除の取消にこれを準用する。 同条第二項中「廃除の取消にこれを」を「推定相続人の廃除の取消しについて」に改め、同項に項番号を付する。
(推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)    
第八百九十五条 推定相続人の廃除又はその取消しの請求があった後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によって、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。推定相続人の廃除の遺言があったときも、同様とする。 第八百九十五条 推定相続人の廃除又はその取消の請求があつた後その審判が確定する前に相続が開始したときは、家庭裁判所は、親族、利害関係人又は検察官の請求によつて、遺産の管理について必要な処分を命ずることができる。廃除の遺言があつたときも、同様である。 第八百九十五条に見出しとして「(推定相続人の廃除に関する審判確定前の遺産の管理)」を付し、同条第一項中「取消」を「取消し」に、「あつた」を「あった」に、「よつて」を「よって」に、「廃除の」を「推定相続人の廃除の」に、「である」を「とする」に改め、
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。 2 家庭裁判所が管理人を選任した場合には、第二十七条 乃至第二十九条 の規定を準用する。 同条第二項を次のように改める。 2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が遺産の管理人を選任した場合について準用する。
第三章 相続の効力 第三章 相続の効力  
第一節 総則 第一節 総則  
(相続の一般的効力)    
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。但し、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。 第八百九十六条に見出しとして「(相続の一般的効力)」を付し、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(祭祀に関する権利の承継)    
第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。 第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従つて祖先の祭祀を主宰すべき者がこれを承継する。但し、被相続人の指定に従つて祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が、これを承継する。 第八百九十七条に見出しとして「(祭祀に関する権利の承継)」を付し、同条第一項中「慣習に従つて」を「慣習に従って」に、「者がこれを」を「者が」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「従つて」を「従って」に改め、「、これを」を削り、
2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。 2 前項本文の場合において慣習が明かでないときは、前項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所がこれを定める。 同条第二項中「明か」を「明らか」に、「前項の」を「同項の」に改め、「これを」を削り、同項に項番号を付する。
(共同相続の効力)    
第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。 第八百九十八条 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属する。 第八百九十八条の前に見出しとして「(共同相続の効力)」を付する。
第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。 第八百九十九条 各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継する。  
第二節 相続分 第二節 相続分  
(法定相続分)    
第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。 第九百条 同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、左の規定に従う。 第九百条に見出しとして「(法定相続分)」を付し、同条中「左の規定に従う」を「次の各号の定めるところによる」に改め、
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。 一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。  
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。 二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。  
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。 三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。  
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。 四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。但し、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。 同条第四号ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(代襲相続人の相続分)    
第九百一条 第八百八十七条第二項又は第三項の規定により相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じとする。ただし、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、前条の規定に従ってその相続分を定める。 第九百一条 第八百八十七条第二項又は第三項の規定によつて相続人となる直系卑属の相続分は、その直系尊属が受けるべきであつたものと同じである。但し、直系卑属が数人あるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであつた部分について、前条の規定に従つてその相続分を定める。 第九百一条に見出しとして「(代襲相続人の相続分)」を付し、同条第一項本文中「よつて」を「より」に、「あつた」を「あった」に、「である」を「とする」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「あつた」を「あった」に、「従つて」を「従って」に改め、
2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定により兄弟姉妹の子が相続人となる場合について準用する。 2 前項の規定は、第八百八十九条第二項の規定によつて兄弟姉妹の子が相続人となる場合にこれを準用する。 同条第二項中「よつて」を「より」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(遺言による相続分の指定)    
第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。 第九百二条 被相続人は、前二条の規定にかかわらず、遺言で、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができる。但し、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。 第九百二条に見出しとして「(遺言による相続分の指定)」を付し、同条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを第三者に定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定により定める。 2 被相続人が、共同相続人中の一人若しくは数人の相続分のみを定め、又はこれを定めさせたときは、他の共同相続人の相続分は、前二条の規定によつてこれを定める。 同条第二項中「又はこれを」の下に「第三者に」を加え、「よつてこれを」を「より」に改め、同項に項番号を付する。
(特別受益者の相続分)    
第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定により算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもってその者の相続分とする。 第九百三条 共同相続人中に、被相続人から、遺贈を受け、又は婚姻、養子縁組のため若しくは生計の資本として贈与を受けた者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし、前三条の規定によつて算定した相続分の中からその遺贈又は贈与の価額を控除し、その残額を以てその者の相続分とする。 第九百三条の前に見出しとして「(特別受益者の相続分)」を付し、同条第一項中「、養子縁組」を「若しくは養子縁組」に、「よつて」を「より」に、「控除し、その残額を以て」を「控除した残額をもって」に改め、
2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 2 遺贈又は贈与の価額が、相続分の価額に等しく、又はこれを超えるときは、受遺者又は受贈者は、その相続分を受けることができない。 同条第二項に項番号を付し、
3 被相続人が前二項の規定と異なった意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に違反しない範囲内で、その効力を有する。 3 被相続人が前二項の規定と異なつた意思を表示したときは、その意思表示は、遺留分に関する規定に反しない範囲内で、その効力を有する。 同条第三項中「異なつた」を「異なった」に、「反しない」を「違反しない」に改め、同項に項番号を付する。
第九百四条 前条に規定する贈与の価額は、受贈者の行為によって、その目的である財産が滅失し、又はその価格の増減があったときであっても、相続開始の時においてなお原状のままであるものとみなしてこれを定める。 第九百四条 前条に掲げる贈与の価額は、受贈者の行為によつて、その目的たる財産が滅失し、又はその価格の増減があつたときでも、相続開始の当時なお原状のままで在るものとみなしてこれを定める。 第九百四条中「掲げる」を「規定する」に、「よつて」を「よって」に、「目的たる」を「目的である」に、「あつた」を「あった」に改め、「ときで」の下に「あって」を加え、「当時」を「時において」に、「在る」を「ある」に改める。
(寄与分)    
第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定により算定した相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする。 第九百四条の二 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者があるときは、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし、第九百条から第九百二条までの規定によつて算定した相続分に寄与分を加えた額をもつてその者の相続分とする。 第九百四条の二に見出しとして「(寄与分)」を付し、同条第一項中「つき」を「ついて」に、「よつて」を「より」に、「もつて」を「もって」に改め、
2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。 2 前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、同項に規定する寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。 同条第二項に項番号を付し、
3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した残額を超えることができない。 3 寄与分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した額を超えることができない。 同条第三項中「控除した額」を「控除した残額」に改め、同項に項番号を付し、
4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があった場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。 4 第二項の請求は、第九百七条第二項の規定による請求があつた場合又は第九百十条に規定する場合にすることができる。 同条第四項中「あつた」を「あった」に改め、同項に項番号を付する。
(相続分の取戻権)    
第九百五条 共同相続人の一人が遺産イサンの分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。 第九百五条 共同相続人の一人が分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。 第九百五条に見出しとして「(相続分の取戻権)」を付し、同条第一項中「分割」を「遺産の分割」に改め、
2 前項の権利は、一箇月以内に行使しなければならない。 2 前項に定める権利は、一箇月以内にこれを行わなければならない。 同条第二項中「に定める」を「の」に、「これを行わなければ」を「行使しなければ」に改め、同項に項番号を付する。
第三節 遺産の分割 第三節 遺産の分割  
(遺産の分割の基準)    
第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。 第九百六条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。 第九百六条に見出しとして「(遺産の分割の基準)」を付する。
(遺産の分割の協議又は審判等)    
第九百七条 共同相続人は、次条の規定により被相続人が遺言で禁じた場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の分割をすることができる。 第九百七条 共同相続人は、第九百八条の規定によつて被相続人が遺言で禁じた場合を除く外、何時でも、その協議で、遺産の分割をすることができる。  第九百七条に見出しとして「(遺産の分割の協議又は審判等)」を付し、同条第一項中「第九百八条」を「次条」に、「よつて」を「より」に、「除く外」を「除き」に、「何時でも」を「いつでも」に改め、
2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。 2 遺産の分割について、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求することができる。 同条第二項に項番号を付し、
3 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、その分割を禁ずることができる。 3 前項の場合において特別の事由があるときは、家庭裁判所は、期間を定めて、遺産の全部又は一部について、分割を禁ずることができる。 同条第三項中「ついて、」の下に「その」を加え、同項に項番号を付する。
(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)    
第九百八条 被相続人は、遺言で、遺産の分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。 第九百八条 被相続人は、遺言で、分割の方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間内分割を禁ずることができる。 第九百八条に見出しとして「(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止)」を付し、同条中「遺言で、」の下に「遺産の」を加え、「期間内」を「期間を定めて、遺産の」に改める。
(遺産の分割の効力)    
第九百九条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。 第九百九条 遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼつてその効力を生ずる。但し、第三者の権利を害することができない。 第九百九条に見出しとして「(遺産の分割の効力)」を付し、同条中「さかのぼつて」を「さかのぼって」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「ことが」を「ことは」に改める。
(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)    
第九百十条 相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。 第九百十条 相続の開始後認知によつて相続人となつた者が遺産の分割を請求しようとする場合において、他の共同相続人が既に分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する。 第九百十条に見出しとして「(相続の開始後に認知された者の価額の支払請求権)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に、「なつた」を「なった」に改め、「既に」の下に「その」を加える。
(共同相続人間の担保責任)    
第九百十一条 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責任を負う。 第九百十一条 各共同相続人は、他の共同相続人に対して、売主と同じく、その相続分に応じて担保の責に任ずる。 第九百十一条に見出しとして「(共同相続人間の担保責任)」を付し、同条中「責に任ずる」を「責任を負う」に改める。
(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)    
第九百十二条 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が遺産の分割によって受けた債権について、その分割の時における債務者の資力を担保する。 第九百十二条 各共同相続人は、その相続分に応じ、他の共同相続人が分割によつて受けた債権について、分割の当時における債務者の資力を担保する。 第九百十二条に見出しとして「(遺産の分割によって受けた債権についての担保責任)」を付し、同条第一項中「分割によつて」を「遺産の分割によって」に、「分割の当時」を「その分割の時」に改め、
2 弁済期に至らない債権及び停止条件付きの債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。 2 弁済期に至らない債権及び停止条件附の債権については、各共同相続人は、弁済をすべき時における債務者の資力を担保する。 同条第二項中「停止条件附」を「停止条件付き」に改め、同項に項番号を付する。
(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)    
第九百十三条 担保の責任を負う共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、それぞれその相続分に応じて分担する。ただし、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。 第九百十三条 担保の責に任ずる共同相続人中に償還をする資力のない者があるときは、その償還することができない部分は、求償者及び他の資力のある者が、各々オノオノその相続分に応じてこれを分担する。但し、求償者に過失があるときは、他の共同相続人に対して分担を請求することができない。 第九百十三条に見出しとして「(資力のない共同相続人がある場合の担保責任の分担)」を付し、同条中「責に任ずる」を「責任を負う」に、「各々」を「それぞれ」に改め、「これを」を削り、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(遺言による担保責任の定め)    
第九百十四条 前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、適用しない。 第九百十四条 前三条の規定は、被相続人が遺言で別段の意思を表示したときは、これを適用しない。 第九百十四条に見出しとして「(遺言による担保責任の定め)」を付し、同条中「これを」を削る。
第四章 相続の承認及び放棄 第四章 相続の承認及び放棄  
第一節 総則 第一節 総則  
(相続の承認又は放棄をすべき期間)    
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。 第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があつたことを知つた時から三箇月以内に、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。但し、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によつて、家庭裁判所において、これを伸長することができる。 第九百十五条の前に見出しとして「(相続の承認又は放棄をすべき期間)」を付し、同条第一項中「あつた」を「あった」に、「知つた」を「知った」に改め、「以内に、」の下に「相続について、」を加え、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「よつて」を「よって」に改め、「、これを」を削り、
2 相続人は、相続の承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 2 相続人は、承認又は放棄をする前に、相続財産の調査をすることができる。 同条第二項中「承認」を「相続の承認」に改め、同項に項番号を付する。
第九百十六条 相続人が相続の承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から起算する。 第九百十六条 相続人が承認又は放棄をしないで死亡したときは、前条第一項の期間は、その者の相続人が自己のために相続の開始があつたことを知つた時から、これを起算する。 第九百十六条中「承認」を「相続の承認」に、「あつた」を「あった」に、「知つた」を「知った」に改め、「、これを」を削る。
第九百十七条 相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第九百十五条第一項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があったことを知った時から起算する。 第九百十七条 相続人が未成年者又は成年被後見人であるときは、第九百十五条第一項の期間は、その法定代理人が未成年者又は成年被後見人のために相続の開始があつたことを知つた時から、これを起算する。 第九百十七条中「あつた」を「あった」に、「知つた」を「知った」に改め、「、これを」を削る。
(相続財産の管理)    
第九百十八条 相続人は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。ただし、相続の承認又は放棄をしたときは、この限りでない。 第九百十八条 相続人は、その固有財産におけると同一の注意を以て、相続財産を管理しなければならない。但し、承認又は放棄をしたときは、この限りでない。 第九百十八条に見出しとして「(相続財産の管理)」を付し、同条第一項中「おけると」を「おけるのと」に、「以て」を「もって」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「承認」を「相続の承認」に改め、
2 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、いつでも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。 2 家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によつて、何時でも、相続財産の保存に必要な処分を命ずることができる。 同条第二項中「よつて」を「よって」に、「何時でも」を「いつでも」に改め、同項に項番号を付し、
3 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。 3 家庭裁判所が管理人を選任した場合には、第二十七条 乃至第二十九条 の規定を準用する。 同条第三項を次のように改める。 3 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)    
第九百十九条 相続の承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、撤回することができない。 第九百十九条 承認及び放棄は、第九百十五条第一項の期間内でも、これを取り消すことができない。 第九百十九条に見出しとして「(相続の承認及び放棄の撤回及び取消し)」を付し、同条第一項中「承認」を「相続の承認」に、「これを取り消す」を「撤回する」に改め、
2 前項の規定は、第一編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。 2 前項の規定は、第一編及び前編の規定によつて承認又は放棄の取消をすることを妨げない。但し、その取消権は、追認をすることができる時から六箇月間これを行わないときは、時効によつて消滅する。承認又は放棄の時から十年を経過したときも、同様である。 同条第二項を次のように改める。 2 前項の規定は、第一編(総則)及び前編(親族)の規定により相続の承認又は放棄の取消しをすることを妨げない。
3 前項の取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から十年を経過したときも、同様とする。 3 前項の規定によつて限定承認又は放棄の取消をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 第九百十九条第三項中「前項」を「第二項」に、「よつて」を「より」に、「放棄の取消」を「相続の放棄の取消し」に改め、同項を同条第四項とし、同項に項番号を付し、同条第二項の次に次の一項を加える。 3 前項の取消権は、追認をすることができる時から六箇月間行使しないときは、時効によって消滅する。相続の承認又は放棄の時から十年を経過したときも、同様とする。
4 第二項の規定により限定承認又は相続の放棄の取消しをしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 (新設)  
第二節 相続の承認 第二節 承認 「第二節 承認」を「第二節 相続の承認」に改める。
第一款 単純承認 第一款 単純承認  
(単純承認の効力)    
第九百二十条 相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。 第九百二十条 相続人が単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。 第九百二十条に見出しとして「(単純承認の効力)」を付し、同条中「相続人が」を「相続人は、」に改める。
(法定単純承認)    
第九百二十一条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。 第九百二十一条 左に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。 第九百二十一条に見出しとして「(法定単純承認)」を付し、同条中「左に」を「次に」に改め、
一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第六百二条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。 一 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。但し、保存行為及び第六百二条 に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。 同条第一号ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。 二 相続人が第九百十五条第一項の期間内に限定承認又は放棄をしなかつたとき。 同条第二号中「放棄をしなかつた」を「相続の放棄をしなかった」に改め、
三 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。 三 相続人が、限定承認又は放棄をした後でも、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを財産目録中に記載しなかつたとき。但し、その相続人が放棄をしたことによつて相続人となつた者が承認をした後は、この限りでない。 同条第三号中「又は放棄」を「又は相続の放棄」に改め、「後で」の下に「あって」を加え、「財産目録」を「相続財産の目録」に、「記載しなかつた」を「記載しなかった」に改め、同号ただし書中「但し」を「ただし」に、「放棄」を「相続の放棄」に、「よつて」を「よって」に、「なつた」を「なった」に、「承認」を「相続の承認」に改める。
第二款 限定承認 第二款 限定承認  
(限定承認)    
第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。 第九百二十二条 相続人は、相続によつて得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、承認をすることができる。 第九百二十二条に見出しとして「(限定承認)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に、「承認」を「相続の承認」に改める。
(共同相続人の限定承認)    
第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。 第九百二十三条 相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。 第九百二十三条に見出しとして「(共同相続人の限定承認)」を付する。
(限定承認の方式)    
第九百二十四条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。 第九百二十四条 相続人が限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、財産目録を調製してこれを家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。 第九百二十四条に見出しとして「(限定承認の方式)」を付し、同条中「相続人が」を「相続人は、」に、「財産目録を調製してこれを」を「相続財産の目録を作成して」に改める。
(限定承認をしたときの権利義務)    
第九百二十五 条相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかったものとみなす。 第九百二十五条 相続人が限定承認をしたときは、その被相続人に対して有した権利義務は、消滅しなかつたものとみなす。 第九百二十五条に見出しとして「(限定承認をしたときの権利義務)」を付し、同条中「消滅しなかつた」を「消滅しなかった」に改める。
(限定承認者による管理)    
第九百二十六条 限定承認者は、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理を継続しなければならない。 第九百二十六条 限定承認者は、その固有財産におけると同一の注意を以て、相続財産の管理を継続しなければならない。 第九百二十六条に見出しとして「(限定承認者による管理)」を付し、同条第一項中「おけると」を「おけるのと」に、「以て」を「もって」に改め、
2 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項及び第二項並びに第九百十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。 2 第六百四十五条 、第六百四十六条 、第六百五十条第一項 、第二項及び第九百十八条第二項、第三項の規定は、前項の場合にこれを準用する。 同条第二項中「、第二項及び」を「及び第二項並びに」に、「、第三項」を「及び第三項」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告)    
第九百二十七条 限定承認者は、限定承認をした後五日以内に、すべての相続債権者(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 第九百二十七条 限定承認者は、限定承認をした後五日以内に、一切の相続債権者及び受遺者に対し、限定承認をしたこと及び一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、二箇月を下ることができない。 第九百二十七条に見出しとして「(相続債権者及び受遺者に対する公告及び催告)」を付し、同条第一項中「一切」を「すべて」に改め、「相続債権者」の下に「(相続財産に属する債務の債権者をいう。以下同じ。)」を加え、同項ただし書を削り、同項に後段として次のように加える。 この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
2 第七十九条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。 2 第七十九条第二項 及び第三項 の規定は、前項の場合にこれを準用する。 第九百二十七条第二項中「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(公告期間満了前の弁済の拒絶)    
第九百二十八条 限定承認者は、前条第一項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 第九百二十八条 限定承認者は、前条第一項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 第九百二十八条に見出しとして「(公告期間満了前の弁済の拒絶)」を付する。
(公告期間満了後の弁済)    
第九百二十九条 第九百二十七条第一項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産をもって、その期間内に同項の申出をした相続債権者その他知れている相続債権者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。 第九百二十九条 第九百二十七条第一項の期間が満了した後は、限定承認者は、相続財産を以て、その期間内に申し出た債権者その他知れた債権者に、各々オノオノその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。但し、優先権を有する債権者の権利を害することができない。 第九百二十九条に見出しとして「(公告期間満了後の弁済)」を付し、同条中「以て」を「もって」に、「申し出た債権者」を「同項の申出をした相続債権者」に、「知れた債権者」を「知れている相続債権者」に、「各々」を「それぞれ」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「ことが」を「ことは」に改める。
(期限前の債務等の弁済)    
第九百三十条 限定承認者は、弁済期に至らない債権であっても、前条の規定に従って弁済をしなければならない。 第九百三十条 限定承認者は、弁済期に至らない債権でも、前条の規定によつてこれを弁済しなければならない。 第九百三十条に見出しとして「(期限前の債務等の弁済)」を付し、同条第一項中「債権で」の下に「あって」を加え、「よつてこれを弁済しなければ」を「従って弁済をしなければ」に改め、
2 条件付きの債権又は存続期間の不確定な債権は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って弁済をしなければならない。 2 条件附の債権又は存続期間の不確定な債権は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従つて、これを弁済しなければならない。 同条第二項中「条件附」を「条件付き」に、「従つて、これを弁済しなければ」を「従って弁済をしなければ」に改め、同項に項番号を付する。
(受遺者に対する弁済)    
第九百三十一条 限定承認者は、前二条の規定に従って各相続債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。 第九百三十一条 限定承認者は、前二条の規定によつて各債権者に弁済をした後でなければ、受遺者に弁済をすることができない。 第九百三十一条に見出しとして「(受遺者に対する弁済)」を付し、同条中「よつて」を「従って」に、「債権者」を「相続債権者」に改める。
(弁済のための相続財産の換価)    
第九百三十二条 前三条の規定に従って弁済をするにつき相続財産を売却する必要があるときは、限定承認者は、これを競売に付さなければならない。ただし、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全部又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができる。 第九百三十二条 前三条の規定に従つて弁済をするにつき相続財産を売却する必要があるときは、限定承認者は、これを競売に付しなければならない。但し、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い相続財産の全部又は一部の価額を弁済して、その競売を止めることができる。 第九百三十二条に見出しとして「(弁済のための相続財産の換価)」を付し、同条中「従つて」を「従って」に、「付しなければ」を「付さなければ」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(相続債権者及び受遺者の換価手続への参加)    
第九百三十三条 相続債権者及び受遺者は、自己の費用で、相続財産の競売又は鑑定に参加することができる。この場合においては、第二百六十条第二項の規定を準用する。 第九百三十三条 相続債権者及び受遺者は、自己の費用で、相続財産の競売又は鑑定に参加することができる。この場合には、第二百六十条第二項 の規定を準用する。 第九百三十三条に見出しとして「(相続債権者及び受遺者の換価手続への参加)」を付し、同条中「場合に」の下に「おいて」を加える。
(不当な弁済をした限定承認者の責任等)    
第九百三十四条 限定承認者は、第九百二十七条の公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第一項の期間内に相続債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによって他の相続債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなったときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。第九百二十九条から第九百三十一条までの規定に違反して弁済をしたときも、同様とする。 第九百三十四条 限定承認者が、第九百二十七条に定める公告若しくは催告をすることを怠り、又は同条第一項の期間内にある債権者若しくは受遺者に弁済をしたことによつて他の債権者若しくは受遺者に弁済をすることができなくなつたときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。第九百二十九条乃至第九百三十一条の規定に違反して弁済をしたときも、同様である。 第九百三十四条に見出しとして「(不当な弁済をした限定承認者の責任等)」を付し、同条第一項中「限定承認者が」を「限定承認者は」に、「に定める」を「の」に、「ある債権者」を「相続債権者」に、「よつて」を「よって」に、「他の債権者」を「他の相続債権者」に、「できなくなつた」を「できなくなった」に、「責に任ずる」を「責任を負う」に、「乃至第九百三十一条」を「から第九百三十一条まで」に、「である」を「とする」に改め、
2 前項の規定は、情を知って不当に弁済を受けた相続債権者又は受遺者に対する他の相続債権者又は受遺者の求償を妨げない。 2 前項の規定は、情を知つて不当に弁済を受けた債権者又は受遺者に対する他の債権者又は受遺者の求償を妨げない。 同条第二項中「知つて」を「知って」に、「債権者」を「相続債権者」に改め、同項に項番号を付し、
3 第七百二十四条の規定は、前二項の場合について準用する。 3 第七百二十四条 の規定は、前二項の場合にも、これを適用する。 同条第三項中「にも、これを適用する」を「について準用する」に改め、同項に項番号を付する。
(公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者)    
第九百三十五条 第九百二十七条第一項の期間内に同項の申出をしなかった相続債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかったものは、残余財産についてのみその権利を行使することができる。ただし、相続財産について特別担保を有する者は、この限りでない。 第九百三十五条 第九百二十七条第一項の期間内に申し出なかつた債権者及び受遺者で限定承認者に知れなかつたものは、残余財産についてのみその権利を行うことができる。但し、相続財産について特別担保を有する者は、この限りでない。 第九百三十五条に見出しとして「(公告期間内に申出をしなかった相続債権者及び受遺者)」を付し、同条中「申し出なかつた債権者」を「同項の申出をしなかった相続債権者」に、「知れなかつた」を「知れなかった」に、「行う」を「行使する」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(相続人が数人ある場合の相続財産の管理人)    
第九百三十六条 相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の管理人を選任しなければならない。 第九百三十六条 相続人が数人ある場合には、家庭裁判所は、相続人の中から、相続財産の管理人を選任しなければならない。 第九百三十六条に見出しとして「(相続人が数人ある場合の相続財産の管理人)」を付し、
2 前項の相続財産の管理人は、相続人のために、これに代わって、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をする。 2 管理人は、相続人のために、これに代わつて、相続財産の管理及び債務の弁済に必要な一切の行為をする。 同条第二項中「管理人」を「前項の相続財産の管理人」に、「代わつて」を「代わって」に改め、同項に項番号を付し、
3 第九百二十六条から前条までの規定は、第一項の相続財産の管理人について準用する。この場合において、第九百二十七条第一項中「限定承認をした後五日以内」とあるのは、「その相続財産の管理人の選任があった後十日以内」と読み替えるものとする。 3 第九百二十六条乃至前条の規定は、管理人にこれを準用する。但し、第九百二十七条第一項に定める公告をする期間は、管理人の選任があつた後十日以内とする。 同条第三項中「乃至前条」を「から前条まで」に、「管理人にこれを」を「第一項の相続財産の管理人について」に改め、同項ただし書を削り、同項に後段として次のように加える。 この場合において、第九百二十七条第一項中「限定承認をした後五日以内」とあるのは、「その相続財産の管理人の選任があった後十日以内」と読み替えるものとする。第九百三十六条第三項に項番号を付する。
(法定単純承認の事由がある場合の相続債権者)    
第九百三十七条 限定承認をした共同相続人の一人又は数人について第九百二十一条第一号又は第三号に掲げる事由があるときは、相続債権者は、相続財産をもって弁済を受けることができなかった債権額について、当該共同相続人に対し、その相続分に応じて権利を行使することができる。 第九百三十七条 限定承認をした共同相続人の一人又は数人について第九百二十一条第一号又は第三号に掲げる事由があるときは、相続債権者は、相続財産を以て弁済を受けることができなかつた債権額について、その者に対し、その相続分に応じて権利を行うことができる。 第九百三十七条に見出しとして「(法定単純承認の事由がある場合の相続債権者)」を付し、同条中「以て」を「もって」に、「できなかつた」を「できなかった」に、「その者」を「当該共同相続人」に、「行う」を「行使する」に改める。
第三節 相続の放棄 第三節 放棄 「第三節 放棄」を「第三節 相続の放棄」に改める。
(相続の放棄の方式)    
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。 第九百三十八条に見出しとして「(相続の放棄の方式)」を付する。
(相続の放棄の効力)    
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。 第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初から相続人とならなかつたものとみなす。 第九百三十九条に見出しとして「(相続の放棄の効力)」を付し、同条中「初」を「初め」に、「ならなかつた」を「ならなかった」に改める。
(相続の放棄をした者による管理)    
第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。 第九百四十条 相続の放棄をした者は、その放棄によつて相続人となつた者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけると同一の注意を以て、その財産の管理を継続しなければならない。 第九百四十条に見出しとして「(相続の放棄をした者による管理)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に、「なつた」を「なった」に、「おけると」を「おけるのと」に、「以て」を「もって」に改め、
2 第六百四十五条、第六百四十六条、第六百五十条第一項及び第二項並びに第九百十八条第二項及び第三項の規定は、前項の場合について準用する。 2 第六百四十五条 、第六百四十六条 、第六百五十条第一項 、第二項及び第九百十八条第二項、第三項の規定は、前項の場合にこれを準用する。 同条第二項中「、第二項及び」を「及び第二項並びに」に、「、第三項」を「及び第三項」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
第五章 財産分離 第五章 財産の分離 「第五章 財産の分離」を「第五章 財産分離」に改める。
(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)    
第九百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後も、同様とする。 第九百四十一条 相続債権者又は受遺者は、相続開始の時から三箇月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができる。相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その期間の満了後でも、同様である。 第九百四十一条に見出しとして「(相続債権者又は受遺者の請求による財産分離)」を付し、同条第一項中「満了後でも」を「満了後も」に、「である」を「とする」に改め、
2 家庭裁判所が前項の請求によって財産分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があったこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 2 家庭裁判所が前項の請求によつて財産の分離を命じたときは、その請求をした者は、五日以内に、他の相続債権者及び受遺者に対し、財産分離の命令があつたこと及び一定の期間内に配当加入の申出をすべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、二箇月を下ることができない。 同条第二項中「よつて財産の分離」を「よって財産分離」に、「あつた」を「あった」に改め、同項ただし書を削り、同項に後段として次のように加える。 この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。第九百四十一条第二項に項番号を付する。
(財産分離の効力)    
第九百四十二条 財産分離の請求をした者及び前条第二項の規定により配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先立って弁済を受ける。 第九百四十二条 財産分離の請求をした者及び前条第二項の規定によつて配当加入の申出をした者は、相続財産について、相続人の債権者に先だつて弁済を受ける。 第九百四十二条に見出しとして「(財産分離の効力)」を付し、同条中「よつて」を「より」に、「先だつて」を「先立って」に改める。
(財産分離の請求後の相続財産の管理)    
第九百四十三条 財産分離の請求があったときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 第九百四十三条 財産分離の請求があつたときは、家庭裁判所は、相続財産の管理について必要な処分を命ずることができる。 第九百四十三条に見出しとして「(財産分離の請求後の相続財産の管理)」を付し、同条第一項中「あつた」を「あった」に改め、
2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。 2 家庭裁判所が管理人を選任した場合には、第二十七条 乃至第二十九条 の規定を準用する。 同条第二項を次のように改める。 2 第二十七条から第二十九条までの規定は、前項の規定により家庭裁判所が相続財産の管理人を選任した場合について準用する。
(財産分離の請求後の相続人による管理)    
第九百四十四条 相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があったときは、以後、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産の管理をしなければならない。ただし、家庭裁判所が相続財産の管理人を選任したときは、この限りでない。 第九百四十四条 相続人は、単純承認をした後でも、財産分離の請求があつたときは、以後、その固有財産におけると同一の注意を以て、相続財産の管理をしなければならない。但し、家庭裁判所が管理人を選任したときは、この限りでない。 第九百四十四条に見出しとして「(財産分離の請求後の相続人による管理)」を付し、同条第一項中「あつた」を「あった」に、「おけると」を「おけるのと」に、「以て」を「もって」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、「家庭裁判所が」の下に「相続財産の」を加え、
2 第六百四十五条から第六百四十七条まで並びに第六百五十条第一項及び第二項の規定は、前項の場合について準用する。 2 第六百四十五条乃至第六百四十七条及び第六百五十条第一項 、第二項の規定は、前項の場合にこれを準用する。 同条第二項中「乃至第六百四十七条及び」を「から第六百四十七条まで並びに」に、「、第二項」を「及び第二項」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(不動産についての財産分離の対抗要件)    
第九百四十五条 財産分離は、不動産については、その登記をしなければ、第三者に対抗することができない。 第九百四十五条 財産の分離は、不動産については、その登記をしなければ、これを第三者に対抗することができない。 第九百四十五条に見出しとして「(不動産についての財産分離の対抗要件)」を付し、同条中「財産の分離」を「財産分離」に改め、「これを」を削る。
(物上代位の規定の準用)    
第九百四十六条 第三百四条の規定は、財産分離の場合について準用する。 第九百四十六条 第三百四条 の規定は、財産分離の場合にこれを準用する。 第九百四十六条に見出しとして「(物上代位の規定の準用)」を付し、同条中「これを」を「ついて」に改める。
(相続債権者及び受遺者に対する弁済)    
第九百四十七条 相続人は、第九百四十一条第一項及び第二項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 第九百四十七条 相続人は、第九百四十一条第一項及び第二項の期間の満了前には、相続債権者及び受遺者に対して弁済を拒むことができる。 第九百四十七条に見出しとして「(相続債権者及び受遺者に対する弁済)」を付し、
2 財産分離の請求があったときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産をもって、財産分離の請求又は配当加入の申出をした相続債権者及び受遺者に、それぞれその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。ただし、優先権を有する債権者の権利を害することはできない。 2 財産分離の請求があつたときは、相続人は、第九百四十一条第二項の期間の満了後に、相続財産を以て、財産分離の請求又は配当加入の申出をした債権者及び受遺者に、各々オノオノその債権額の割合に応じて弁済をしなければならない。但し、優先権を有する債権者の権利を害することができない。 同条第二項中「あつた」を「あった」に、「以て」を「もって」に、「債権者及び」を「相続債権者及び」に、「各々」を「それぞれ」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「ことが」を「ことは」に改め、同項に項番号を付し、
3 第九百三十条から第九百三十四条までの規定は、前項の場合について準用する。 3 第九百三十条乃至第九百三十四条の規定は、前項の場合にこれを準用する。 同条第三項中「乃至第九百三十四条」を「から第九百三十四条まで」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(相続人の固有財産からの弁済)    
第九百四十八条 財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産をもって全部の弁済を受けることができなかった場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行使することができる。この場合においては、相続人の債権者は、その者に先立って弁済を受けることができる。 第九百四十八条 財産分離の請求をした者及び配当加入の申出をした者は、相続財産を以て全部の弁済を受けることができなかつた場合に限り、相続人の固有財産についてその権利を行うことができる。この場合には、相続人の債権者は、その者に先だつて弁済を受けることができる。 第九百四十八条に見出しとして「(相続人の固有財産からの弁済)」を付し、同条中「以て」を「もって」に、「できなかつた」を「できなかった」に、「行う」を「行使する」に改め、「この場合に」の下に「おいて」を加え、「先だつて」を「先立って」に改める。
(財産分離の請求の防止等)    
第九百四十九条 相続人は、その固有財産をもって相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。ただし、相続人の債権者が、これによって損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。 第九百四十九条 相続人は、その固有財産を以て相続債権者若しくは受遺者に弁済をし、又はこれに相当の担保を供して、財産分離の請求を防止し、又はその効力を消滅させることができる。但し、相続人の債権者が、これによつて損害を受けるべきことを証明して、異議を述べたときは、この限りでない。 第九百四十九条に見出しとして「(財産分離の請求の防止等)」を付し、同条中「以て」を「もって」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「よつて」を「よって」に改める。
(相続人の債権者の請求による財産分離)    
第九百五十条 相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。 第九百五十条 相続人が限定承認をすることができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、その債権者は、家庭裁判所に対して財産分離の請求をすることができる。 第九百五十条に見出しとして「(相続人の債権者の請求による財産分離)」を付し、同条第一項中「その」を「相続人の」に改め、
2 第三百四条、第九百二十五条、第九百二十七条から第九百三十四条まで、第九百四十三条から第九百四十五条まで及び第九百四十八条の規定は、前項の場合について準用する。ただし、第九百二十七条の公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がしなければならない。 2 第三百四条 、第九百二十五条、第九百二十七条乃至第九百三十四条、第九百四十三条乃至第九百四十五条及び第九百四十八条の規定は、前項の場合にこれを準用する。但し、第九百二十七条に定める公告及び催告は、財産分離の請求をした債権者がこれをしなければならない。 同条第二項中「乃至第九百三十四条」を「から第九百三十四条まで」に、「乃至第九百四十五条」を「から第九百四十五条まで」に、「にこれを」を「について」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に、「に定める」を「の」に改め、「これを」を削り、同項に項番号を付する。
第六章 相続人の不存在 第六章 相続人の不存在  
(相続財産法人の成立)    
第九百五十一条 相続人のあることが明らかでないときは、相続財産は、法人とする。 第九百五十一条 相続人のあることが明かでないときは、相続財産は、これを法人とする。 第九百五十一条に見出しとして「(相続財産法人の成立)」を付し、同条中「明か」を「明らか」に改め、「これを」を削る。
(相続財産の管理人の選任)    
第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によって、相続財産の管理人を選任しなければならない。 第九百五十二条 前条の場合には、家庭裁判所は、利害関係人又は検察官の請求によつて、相続財産の管理人を選任しなければならない。 第九百五十二条に見出しとして「(相続財産の管理人の選任)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に改め、
2 前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所は、遅滞なくこれを公告しなければならない。 2 家庭裁判所は、遅滞なく管理人の選任を公告しなければならない。 同条第二項中「家庭裁判所」を「前項の規定により相続財産の管理人を選任したときは、家庭裁判所」に、「管理人の選任」を「これ」に改め、同項に項番号を付する。
(不在者の財産の管理人に関する規定の準用)    
第九百五十三条 第二十七条から第二十九条までの規定は、前条第一項の相続財産の管理人(以下この章において単に「相続財産の管理人」という。)について準用する。 第九百五十三条 第二十七条 乃至第二十九条 の規定は、相続財産の管理人にこれを準用する。 第九百五十三条に見出しとして「(不在者の財産の管理人に関する規定の準用)」を付し、同条中「乃至第二十九条」を「から第二十九条まで」に改め、「規定は、」の下に「前条第一項の」を加え、「にこれを」を「(以下この章において単に「相続財産の管理人」という。)について」に改める。
(相続財産の管理人の報告)    
第九百五十四条 相続財産の管理人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、その請求をした者に相続財産の状況を報告しなければならない。 第九百五十四条 管理人は、相続債権者又は受遺者の請求があるときは、これに相続財産の状況を報告しなければならない。 第九百五十四条に見出しとして「(相続財産の管理人の報告)」を付し、同条中「管理人」を「相続財産の管理人」に、「これ」を「その請求をした者」に改める。
(相続財産法人の不成立)    
第九百五十五条 相続人のあることが明らかになったときは、第九百五十一条の法人は、成立しなかったものとみなす。ただし、相続財産の管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 第九百五十五条 相続人のあることが明かになつたときは、法人は、存立しなかつたものとみなす。但し、管理人がその権限内でした行為の効力を妨げない。 第九百五十五条に見出しとして「(相続財産法人の不成立)」を付し、同条中「明かになつた」を「明らかになった」に、「法人」を「第九百五十一条の法人」に、「存立しなかつた」を「成立しなかった」に改め、同条ただし書中「但し、管理人」を「ただし、相続財産の管理人」に改める。
(相続財産の管理人の代理権の消滅)    
第九百五十六条 相続財産の管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。 第九百五十六条 管理人の代理権は、相続人が相続の承認をした時に消滅する。 第九百五十六条に見出しとして「(相続財産の管理人の代理権の消滅)」を付し、同条中「管理人」を「相続財産の管理人」に改め、
2 前項の場合には、相続財産の管理人は、遅滞なく相続人に対して管理の計算をしなければならない。 2 前項の場合には、管理人は、遅滞なく相続人に対して管理の計算をしなければならない。 同条第二項に項番号を付する。
(相続債権者及び受遺者に対する弁済)    
第九百五十七条 第九百五十二条第二項の公告があった後二箇月以内に相続人のあることが明らかにならなかったときは、相続財産の管理人は、遅滞なく、すべての相続債権者及び受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。 第九百五十七条 第九百五十二条第二項に定める公告があつた後二箇月以内に相続人のあることが明かにならなかつたときは、管理人は、遅滞なく一切の相続債権者及び受遺者に対し、一定の期間内にその請求の申出をすべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、二箇月を下ることができない。 第九百五十七条に見出しとして「(相続債権者及び受遺者に対する弁済)」を付し、同条第一項中「に定める」を「の」に、「あつた」を「あった」に、「明かにならなかつた」を「明らかにならなかった」に、「管理人」を「相続財産の管理人」に、「一切」を「、すべて」に改め、同項ただし書を削り、同項に後段として次のように加える。 この場合において、その期間は、二箇月を下ることができない。
2 第七十九条第二項及び第三項並びに第九百二十八条から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)の規定は、前項の場合について準用する。 2 第七十九条第二項 、第三項及び第九百二十八条乃至第九百三十五条の規定は、前項の場合にこれを準用する。但し、第九百三十二条但書の規定は、この限りでない。 第九百五十七条第二項中「、第三項及び」を「及び第三項並びに」に、「乃至第九百三十五条」を「から第九百三十五条まで(第九百三十二条ただし書を除く。)」に、「これを」を「ついて」に改め、同項ただし書を削り、同項に項番号を付する。
(相続人の捜索の公告)    
第九百五十八条 前条第一項の期間の満了後、なお相続人のあることが明らかでないときは、家庭裁判所は、相続財産の管理人又は検察官の請求によって、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。 第九百五十八条 前条第一項の期間の満了後、なお、相続人のあることが明かでないときは、家庭裁判所は、管理人又は検察官の請求によつて、相続人があるならば一定の期間内にその権利を主張すべき旨を公告しなければならない。但し、その期間は、六箇月を下ることができない。 第九百五十八条に見出しとして「(相続人の捜索の公告)」を付し、同条中「、相続人の」を「相続人の」に、「明か」を「明らか」に、「管理人」を「相続財産の管理人」に、「よつて」を「よって」に改め、同条ただし書を削り、同条に後段として次のように加える。 この場合において、その期間は、六箇月を下ることができない。
(権利を主張する者がない場合)    
第九百五十八条の二 前条の期間内に相続人としての権利を主張する者がないときは、相続人並びに相続財産の管理人に知れなかった相続債権者及び受遺者は、その権利を行使することができない。 第九百五十八条の二 前条の期間内に相続人である権利を主張する者がないときは、相続人並びに管理人に知れなかつた相続債権者及び受遺者は、その権利を行うことができない。 第九百五十八条の二に見出しとして「(権利を主張する者がない場合)」を付し、同条中「である」を「としての」に、「管理人」を「相続財産の管理人」に、「知れなかつた」を「知れなかった」に、「行う」を「行使する」に改める。
(特別縁故者に対する相続財産の分与)    
第九百五十八条の三 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。 第九百五十八条の三 前条の場合において相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があつた者の請求によつて、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。 第九百五十八条の三に見出しとして「(特別縁故者に対する相続財産の分与)」を付し、同条第一項中「相当」を「、相当」に、「あつた」を「あった」に、「よつて」を「よって」に改め、
2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。 2 前項の請求は、第九百五十八条の期間の満了後三箇月以内に、これをしなければならない。 同条第二項中「、これを」を削り、同項に項番号を付する。
(残余財産の国庫への帰属)    
第九百五十九条 前条の規定により処分されなかった相続財産は、国庫に帰属する。この場合においては、第九百五十六条第二項の規定を準用する。 第九百五十九条 前条の規定によつて処分されなかつた相続財産は、国庫に帰属する。この場合には、第九百五十六条第二項の規定を準用する。 第九百五十九条に見出しとして「(残余財産の国庫への帰属)」を付し、同条中「よつて処分されなかつた」を「より処分されなかった」に改め、「場合に」の下に「おいて」を加える。
第七章 遺言 第七章 遺言  
第一節 総則 第一節 総則  
(遺言の方式)    
第九百六十条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、することができない。 第九百六十条 遺言は、この法律に定める方式に従わなければ、これをすることができない。 第九百六十条に見出しとして「(遺言の方式)」を付し、同条中「これを」を削る。
(遺言能力)    
第九百六十一条 十五歳に達した者は、遺言をすることができる。 第九百六十一条 満十五歳に達した者は、遺言をすることができる。 第九百六十一条の前に見出しとして「(遺言能力)」を付し、同条中「満十五歳」を「十五歳」に改める。
第九百六十二条 第五条、第九条、第十三条及び第十七条の規定は、遺言については、適用しない。 第九百六十二条 第四条 、第九条 、第十二条 及び第十六条 の規定は、遺言には、これを適用しない。 第九百六十二条中「第四条」を「第五条」に、「第十二条」を「第十三条」に、「第十六条」を「第十七条」に、「には、これを」を「については、」に改める。
第九百六十三条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。 第九百六十三条 遺言者は、遺言をする時においてその能力を有しなければならない。  
(包括遺贈及び特定遺贈)    
第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。 第九百六十四条 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。但し、遺留分に関する規定に違反することができない。 第九百六十四条に見出しとして「(包括遺贈及び特定遺贈)」を付し、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(相続人に関する規定の準用)    
第九百六十五条 第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者について準用する。 第九百六十五条 第八百八十六条及び第八百九十一条の規定は、受遺者にこれを準用する。 第九百六十五条に見出しとして「(相続人に関する規定の準用)」を付し、同条中「これを」を「ついて」に改める。
(被後見人の遺言の制限)    
第九百六十六条 被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。 第九百六十六条 被後見人が、後見の計算の終了前に、後見人又はその配偶者若しくは直系卑属の利益となるべき遺言をしたときは、その遺言は、無効とする。 第九百六十六条に見出しとして「(被後見人の遺言の制限)」を付し、
2 前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、適用しない。 2 前項の規定は、直系血族、配偶者又は兄弟姉妹が後見人である場合には、これを適用しない。 同条第二項中「これを」を削り、同項に項番号を付する。
第二節 遺言の方式 第二節 遺言の方式  
第一款 普通の方式 第一款 普通の方式  
(普通の方式による遺言の種類)    
第九百六十七条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によってしなければならない。ただし、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。 第九百六十七条 遺言は、自筆証書、公正証書又は秘密証書によつてこれをしなければならない。但し、特別の方式によることを許す場合は、この限りでない。 第九百六十七条に見出しとして「(普通の方式による遺言の種類)」を付し、同条中「よつてこれを」を「よって」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(自筆証書遺言)    
第九百六十八条 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。 第九百六十八条 自筆証書によつて遺言をするには、遺言者が、その全文、日附及び氏名を自書し、これに印をおさなければならない。 第九百六十八条に見出しとして「(自筆証書遺言)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に、「日附」を「日付」に、「おさなければ」を「押さなければ」に改め、
2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。 2 自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を附記して特にこれを署名し、且つ、その変更の場所に印をおさなければ、その効力がない。 同条第二項中「附記して」を「付記して」に、「を署名し」を「に署名し」に、「且つ」を「かつ」に、「おさなければ」を「押さなければ」に、「がない」を「を生じない」に改め、同項に項番号を付する。
(公正証書遺言)    
第九百六十九条 公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 第九百六十九条 公正証書によつて遺言をするには、次の方式に従わなければならない。 第九百六十九条に見出しとして「(公正証書遺言)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に、「次の」を「次に掲げる」に改め、
一 証人二人以上の立会いがあること。 一 証人二人以上の立会いがあること。  
二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。 二 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。  
三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。 三 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。  
四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。 四 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。  
五 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。 五 公証人が、その証書は前四号に掲げる方式に従つて作つたものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。 同条第五号中「前四号」を「前各号」に、「従つて作つた」を「従って作った」に改める。
(公正証書遺言の方式の特則)    
第九百六十九条の二 口がきけない者が公正証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述又は自書」とする。 第九百六十九条の二 口がきけない者が公正証書によつて遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述し、又は自書して、前条第二号の口授に代えなければならない。この場合における同条第三号の規定の適用については、同号中「口述」とあるのは、「通訳人の通訳による申述」又は「自書」とする。 第九百六十九条の二に見出しとして「(公正証書遺言の方式の特則)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に、「申述」又は「自書」を「申述又は自書」に改め、
2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。 2 前条の遺言者又は証人が耳が聞こえない者である場合には、公証人は、同条第三号に規定する筆記した内容を通訳人の通訳により遺言者又は証人に伝えて、同号の読み聞かせに代えることができる。 同条第二項に項番号を付し、
3 公証人は、前二項に定める方式に従って公正証書を作ったときは、その旨をその証書に付記しなければならない。 3 公証人は、前二項に定める方式に従つて公正証書を作つたときは、その旨をその証書に付記しなければならない。 同条第三項中「従つて」を「従って」に、「作つた」を「作った」に改め、同項に項番号を付する。
(秘密証書遺言)    
第九百七十条 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。 第九百七十条 秘密証書によつて遺言をするには、左の方式に従わなければならない。 第九百七十条に見出しとして「(秘密証書遺言)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に、「左の」を「次に掲げる」に改め、
一 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。 一 遺言者が、その証書に署名し、印をおすこと。 同項第一号中「おす」を「押す」に改め、
二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。 二 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章を以てこれに封印すること。 同項第二号中「以て」を「もって」に改め、
三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。 三 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。  
四 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。 四 公証人が、その証書を提出した日附及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印をおすこと。 同項第四号中「日附」を「日付」に、「おす」を「押す」に改め、
2 第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。 2 第九百六十八条第二項の規定は、秘密証書による遺言にこれを準用する。 同条第二項中「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)    
第九百七十一条 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあっても、第九百六十八条に定める方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。 第九百七十一条 秘密証書による遺言は、前条に定める方式に欠けるものがあつても、第九百六十八条の方式を具備しているときは、自筆証書による遺言としてその効力を有する。 第九百七十一条に見出しとして「(方式に欠ける秘密証書遺言の効力)」を付し、同条中「あつて」を「あって」に、「の方式」を「に定める方式」に改める。
(秘密証書遺言の方式の特則)    
第九百七十二条 口がきけない者が秘密証書によって遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。 第九百七十二条 口がきけない者が秘密証書によつて遺言をする場合には、遺言者は、公証人及び証人の前で、その証書は自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を通訳人の通訳により申述し、又は封紙に自書して、第九百七十条第一項第三号の申述に代えなければならない。 第九百七十二条に見出しとして「(秘密証書遺言の方式の特則)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に改め、
2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。 2 前項の場合において、遺言者が通訳人の通訳により申述したときは、公証人は、その旨を封紙に記載しなければならない。 同条第二項及び第三項に項番号を付する。
3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。 3 第一項の場合において、遺言者が封紙に自書したときは、公証人は、その旨を封紙に記載して、第九百七十条第一項第四号に規定する申述の記載に代えなければならない。  
(成年被後見人の遺言)    
第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。 第九百七十三条 成年被後見人が事理を弁識する能力を一時回復した時において遺言をするには、医師二人以上の立会いがなければならない。 第九百七十三条に見出しとして「(成年被後見人の遺言)」を付し、
2 遺言に立ち会った医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかった旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書による遺言にあっては、その封紙にその旨の記載をし、署名し、印を押さなければならない。 2 遺言に立ち会つた医師は、遺言者が遺言をする時において精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く状態になかつた旨を遺言書に付記して、これに署名し、印を押さなければならない。ただし、秘密証書によつて遺言をする場合には、その封紙に右の記載をし、署名し、印を押さなければならない。 同条第二項中「立ち会つた」を「立ち会った」に、「なかつた」を「なかった」に改め、同項ただし書中「よつて遺言をする場合には」を「よる遺言にあっては」に、「右の」を「その旨の」に改め、同項に項番号を付する。
(証人及び立会人の欠格事由)    
第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。 第九百七十四条 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。 第九百七十四条に見出しとして「(証人及び立会人の欠格事由)」を付し、
一 未成年者 一 未成年者  
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族 二 推定相続人、受遺者及びその配偶者並びに直系血族 同条第二号中「、受遺者及びその」を「及び受遺者並びにこれらの」に、「並びに」を「及び」に改め、
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人 三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び雇人 同条第三号中「雇人」を「使用人」に改める。
(共同遺言の禁止)    
第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書ですることができない。 第九百七十五条 遺言は、二人以上の者が同一の証書でこれをすることができない。 第九百七十五条に見出しとして「(共同遺言の禁止)」を付し、同条中「これを」を削る。
第二款 特別の方式 第二款 特別の方式  
(死亡の危急に迫った者の遺言)    
第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。 第九百七十六条 疾病その他の事由によつて死亡の危急に迫つた者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもつて、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合には、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。 第九百七十六条に見出しとして「(死亡の危急に迫った者の遺言)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に、「迫つた」を「迫った」に、「もつて」を「もって」に改め、「場合に」の下に「おいて」を加え、
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。 2 口がきけない者が前項の規定によつて遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。 同条第二項中「よつて」を「より」に改め、同項及び同条第三項に項番号を付し、
3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。 3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。  
4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。 4 前三項の規定によつてした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力がない。 同条第四項中「よつて」を「より」に、「がない」を「を生じない」に改め、同項に項番号を付し、
5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。 5 家庭裁判所は、遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。 同条第五項中「家庭裁判所は、」の下に「前項の」を加え、同項に項番号を付する。
(伝染病隔離者の遺言)    
第九百七十七条 伝染病のため行政処分によって交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。 第九百七十七条 伝染病のため行政処分によつて交通を断たれた場所に在る者は、警察官一人及び証人一人以上の立会を以て遺言書を作ることができる。 第九百七十七条に見出しとして「(伝染病隔離者の遺言)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に、「立会を以て」を「立会いをもって」に改める。
(在船者の遺言)    
第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会いをもって遺言書を作ることができる。 第九百七十八条 船舶中に在る者は、船長又は事務員一人及び証人二人以上の立会を以て遺言書を作ることができる。 第九百七十八条に見出しとして「(在船者の遺言)」を付し、同条中「立会を以て」を「立会いをもって」に改める。
(船舶遭難者の遺言)    
第九百七十九条 船舶が遭難した場合において、当該船舶中に在って死亡の危急に迫った者は、証人二人以上の立会いをもって口頭で遺言をすることができる。 第九百七十九条 船舶遭難の場合において、船舶中に在つて死亡の危急に迫つた者は、証人二人以上の立会を以て口頭で遺言をすることができる。 第九百七十九条に見出しとして「(船舶遭難者の遺言)」を付し、同条第一項中「船舶遭難の」を「船舶が遭難した」に、「船舶中に在つて」を「当該船舶中に在って」に、「迫つた」を「迫った」に、「立会を以て」を「立会いをもって」に改め、
2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。 2 口がきけない者が前項の規定によつて遺言をする場合には、遺言者は、通訳人の通訳によりこれをしなければならない。 同条第二項中「よつて」を「より」に改め、同項に項番号を付し、
3 前二項の規定に従ってした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。 3 前二項の規定に従つてした遺言は、証人が、その趣旨を筆記して、これに署名し、印を押し、かつ、証人の一人又は利害関係人から遅滞なく家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力がない。 同条第三項中「従つて」を「従って」に、「がない」を「を生じない」に改め、同項及び同条第四項に項番号を付する。
4 第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。 4 第九百七十六条第五項の規定は、前項の場合について準用する。  
(遺言関係者の署名及び押印)    
第九百八十条 第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印を押さなければならない。 第九百八十条 第九百七十七条及び第九百七十八条の場合には、遺言者、筆者、立会人及び証人は、各自遺言書に署名し、印をおさなければならない。 第九百八十条に見出しとして「(遺言関係者の署名及び押印)」を付し、同条中「おさなければ」を「押さなければ」に改める。
(署名又は押印が不能の場合)    
第九百八十一条 第九百七十七条から第九百七十九条までの場合において、署名又は印を押すことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を付記しなければならない。 第九百八十一条 第九百七十七条乃至第九百七十九条の場合において、署名又は印をおすことのできない者があるときは、立会人又は証人は、その事由を附記しなければならない。 第九百八十一条に見出しとして「(署名又は押印が不能の場合)」を付し、同条中「乃至第九百七十九条」を「から第九百七十九条まで」に、「おす」を「押す」に、「附記しなければ」を「付記しなければ」に改める。
(普通の方式による遺言の規定の準用)    
第九百八十二条 第九百六十八条第二項及び第九百七十三条から第九百七十五条までの規定は、第九百七十六条から前条までの規定による遺言について準用する。 第九百八十二条 第九百六十八条第二項及び第九百七十三条乃至第九百七十五条の規定は、第九百七十六条乃至前条の規定による遺言にこれを準用する。 第九百八十二条に見出しとして「(普通の方式による遺言の規定の準用)」を付し、同条中「乃至第九百七十五条」を「から第九百七十五条まで」に、「乃至前条」を「から前条まで」に、「これを」を「ついて」に改める。
(特別の方式による遺言の効力)    
第九百八十三条 第九百七十六条から前条までの規定によりした遺言は、遺言者が普通の方式によって遺言をすることができるようになった時から六箇月間生存するときは、その効力を生じない。 第九百八十三条 第九百七十六条乃至前条の規定によつてした遺言は、遺言者が普通の方式によつて遺言をすることができるようになつた時から六箇月間生存するときは、その効力がない。 第九百八十三条に見出しとして「(特別の方式による遺言の効力)」を付し、同条中「乃至前条の規定によつて」を「から前条までの規定により」に、「方式によつて」を「方式によって」に、「なつた」を「なった」に、「がない」を「を生じない」に改める。
(外国に在る日本人の遺言の方式)    
第九百八十四条 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によって遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事が行う。 第九百八十四条 日本の領事の駐在する地に在る日本人が公正証書又は秘密証書によつて遺言をしようとするときは、公証人の職務は、領事がこれを行う。 第九百八十四条に見出しとして「(外国に在る日本人の遺言の方式)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に改め、「これを」を削る。
第三節 遺言の効力 第三節 遺言の効力  
(遺言の効力の発生時期)    
第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。 第九百八十五条 遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。 第九百八十五条に見出しとして「(遺言の効力の発生時期)」を付し、
2 遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。 2 遺言に停止条件を附した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。 同条第二項中「附した」を「付した」に改め、同項に項番号を付する。
(遺贈の放棄)    
第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、いつでも、遺贈の放棄をすることができる。 第九百八十六条 受遺者は、遺言者の死亡後、何時でも、遺贈の放棄をすることができる。 第九百八十六条に見出しとして「(遺贈の放棄)」を付し、同条第一項中「何時でも」を「いつでも」に改め、
2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼってその効力を生ずる。 2 遺贈の放棄は、遺言者の死亡の時にさかのぼつてその効力を生ずる。 同条第二項中「さかのぼつて」を「さかのぼって」に改め、同項に項番号を付する。
(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)    
第九百八十七条 遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他の利害関係人は、受遺者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨の催告をすることができる。この場合において、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。 第九百八十七条 遺贈義務者その他の利害関係人は、相当の期間を定め、その期間内に遺贈の承認又は放棄をすべき旨を受遺者に催告することができる。若し、受遺者がその期間内に遺贈義務者に対してその意思を表示しないときは、遺贈を承認したものとみなす。 第九百八十七条に見出しとして「(受遺者に対する遺贈の承認又は放棄の催告)」を付し、同条中「遺贈義務者その他」を「遺贈義務者(遺贈の履行をする義務を負う者をいう。以下この節において同じ。)その他」に改め、「利害関係人は」の下に「、受遺者に対し」を加え、「定め」を「定めて」に、「を受遺者に催告する」を「の催告をする」に、「若し」を「この場合において」に改める。
(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)    
第九百八十八条 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、遺贈の承認又は放棄をすることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百八十八条 受遺者が遺贈の承認又は放棄をしないで死亡したときは、その相続人は、自己の相続権の範囲内で、承認又は放棄をすることができる。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百八十八条に見出しとして「(受遺者の相続人による遺贈の承認又は放棄)」を付し、同条中「範囲内で、」の下に「遺贈の」を加え、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)    
第九百八十九条 遺贈の承認及び放棄は、撤回することができない。 第九百八十九条 遺贈の承認及び放棄は、これを取り消すことができない。 第九百八十九条に見出しとして「(遺贈の承認及び放棄の撤回及び取消し)」を付し、同条第一項中「これを取り消す」を「撤回する」に改め、
2 第九百十九条第二項及び第三項の規定は、遺贈の承認及び放棄について準用する。 2 第九百十九条第二項の規定は、遺贈の承認及び放棄にこれを準用する。 同条第二項中「第九百十九条第二項」の下に「及び第三項」を加え、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(包括受遺者の権利義務)    
第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。 第九百九十条 包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有する。 第九百九十条に見出しとして「(包括受遺者の権利義務)」を付する。
(受遺者による担保の請求)    
第九百九十一条 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様とする。 第九百九十一条 受遺者は、遺贈が弁済期に至らない間は、遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができる。停止条件附の遺贈についてその条件の成否が未定である間も、同様である。 第九百九十一条に見出しとして「(受遺者による担保の請求)」を付し、同条中「停止条件附」を「停止条件付き」に、「同様である」を「同様とする」に改める。
(受遺者による果実の取得)    
第九百九十二条 受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百九十二条 受遺者は、遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百九十二条に見出しとして「(受遺者による果実の取得)」を付し、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(遺贈義務者による費用の償還請求)    
第九百九十三条 第二百九十九条の規定は、遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用する。 第九百九十三条 遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を出したときは、第二百九十九条 の規定を準用する。 第九百九十三条に見出しとして「(遺贈義務者による費用の償還請求)」を付し、同条第一項中「遺贈義務者」を「第二百九十九条の規定は、遺贈義務者」に、「出したときは、第二百九十九条の規定を」を「支出した場合について」に改め、
2 果実を収取するために支出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。 2 果実を収取するために出した通常の必要費は、果実の価格を超えない限度で、その償還を請求することができる。 同条第二項中「出した」を「支出した」に改め、同項に項番号を付する。
(受遺者の死亡による遺贈の失効)    
第九百九十四条 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。 第九百九十四条 遺贈は、遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときは、その効力を生じない。 第九百九十四条に見出しとして「(受遺者の死亡による遺贈の失効)」を付し、
2 停止条件付きの遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様とする。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 2 停止条件附の遺贈については、受遺者がその条件の成就前に死亡したときも、前項と同様である。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 同条第二項中「停止条件附」を「停止条件付き」に、「である」を「とする」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同項に項番号を付する。
(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)    
第九百九十五条 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によってその効力を失ったときは、受遺者が受けるべきであったものは、相続人に帰属する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百九十五条 遺贈が、その効力を生じないとき、又は放棄によつてその効力がなくなつたときは、受遺者が受けるべきであつたものは、相続人に帰属する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百九十五条に見出しとして「(遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に、「効力がなくなつた」を「効力を失った」に、「あつた」を「あった」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(相続財産に属しない権利の遺贈)    
第九百九十六条 遺贈は、その目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときは、その効力を生じない。ただし、その権利が相続財産に属するかどうかにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認められるときは、この限りでない。 第九百九十六条 遺贈は、その目的たる権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかつたときは、その効力を生じない。但し、その権利が相続財産に属すると属しないとにかかわらず、これを遺贈の目的としたものと認むべきときは、この限りでない。 第九百九十六条の前に見出しとして「(相続財産に属しない権利の遺贈)」を付し、同条中「目的たる」を「目的である」に、「属しなかつた」を「属しなかった」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「属すると属しないと」を「属するかどうか」に、「認むべき」を「認められる」に改める。
第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。 第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条但書の規定によつて有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得してこれを受遺者に移転する義務を負う。若し、これを取得することができないか、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、その価額を弁償しなければならない。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第九百九十七条を次のように改める。 第九百九十七条 相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が前条ただし書の規定により有効であるときは、遺贈義務者は、その権利を取得して受遺者に移転する義務を負う。 
2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 (新設) 2 前項の場合において、同項に規定する権利を取得することができないとき、又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは、遺贈義務者は、その価額を弁償しなければならない。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。
(不特定物の遺贈義務者の担保責任)    
第九百九十八条 不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者がこれにつき第三者から追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責任を負う。 第九百九十八条 不特定物を遺贈の目的とした場合において、受遺者が追奪を受けたときは、遺贈義務者は、これに対して、売主と同じく、担保の責に任ずる。 第九百九十八条に見出しとして「(不特定物の遺贈義務者の担保責任)」を付し、同条第一項中「受遺者が」の下に「これにつき第三者から」を加え、「責に任ずる」を「責任を負う」に改め、
2 不特定物を遺贈の目的とした場合において、物に瑕疵があったときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物をもってこれに代えなければならない。 2 前項の場合において、物に瑕疵があつたときは、遺贈義務者は、瑕疵のない物を以てこれに代えなければならない。 同条第二項中「前項の」を「不特定物を遺贈の目的とした」に、「あつた」を「あった」に、「以て」を「もって」に改め、同項に項番号を付する。
(遺贈の物上代位)    
第九百九十九条 遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。 第九百九十九条 遺言者が、遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によつて第三者に対して償金を請求する権利を有するときは、その権利を遺贈の目的としたものと推定する。 第九百九十九条に見出しとして「(遺贈の物上代位)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に改め、
2 遺贈の目的物が、他の物と付合し、又は混和した場合において、遺言者が第二百四十三条から第二百四十五条までの規定により合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときは、その全部の所有権又は持分を遺贈の目的としたものと推定する。 2 遺贈の目的物が、他の物と附合し、又は混和した場合において、遺言者が第二百四十三条 乃至第二百四十五条 の規定によつて合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となつたときは、その全部の所有権又は共有権を遺贈の目的としたものと推定する。 同条第二項中「附合し」を「付合し」に、「乃至第二百四十五条」を「から第二百四十五条まで」に、「よつて」を「より」に、「なつた」を「なった」に、「共有権」を「持分」に改め、同項に項番号を付する。
(第三者の権利の目的である財産の遺贈)    
第千条 遺贈の目的である物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 第千条 遺贈の目的たる物又は権利が遺言者の死亡の時において第三者の権利の目的であるときは、受遺者は、遺贈義務者に対しその権利を消滅させるべき旨を請求することができない。但し、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 第千条に見出しとして「(第三者の権利の目的である財産の遺贈)」を付し、同条中「目的たる」を「目的である」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(債権の遺贈の物上代位)    
第千一条 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、かつ、その受け取った物がなお相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。 第千一条 債権を遺贈の目的とした場合において、遺言者が弁済を受け、且つ、その受け取つた物が、なお、相続財産中に在るときは、その物を遺贈の目的としたものと推定する。 第千一条に見出しとして「(債権の遺贈の物上代位)」を付し、同条第一項中「且つ」を「かつ」に、「受け取つた」を「受け取った」に、「、なお、」を「なお」に改め、
2 金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであっても、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。 2 金銭を目的とする債権については、相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときでも、その金額を遺贈の目的としたものと推定する。 同条第二項中「について」を「を遺贈の目的とした場合において」に改め、「ときで」の下に「あって」を加え、同項に項番号を付する。
(負担付遺贈)    
第千二条 負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。 第千二条 負担附遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責に任ずる。 第千二条に見出しとして「(負担付遺贈)」を付し、同条第一項中「負担附遺贈」を「負担付遺贈」に、「責に任ずる」を「責任を負う」に改め、
2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 2 受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者が、自ら受遺者となることができる。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 同条第二項中「者が、」を「者は、」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同項に項番号を付する。
(負担付遺贈の受遺者の免責)    
第千三条 負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じて、その負担した義務を免れる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千三条 負担附遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴によつて減少したときは、受遺者は、その減少の割合に応じてその負担した義務を免かれる。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千三条に見出しとして「(負担付遺贈の受遺者の免責)」を付し、同条中「負担附遺贈」を「負担付遺贈」に、「訴によつて」を「訴えによって」に、「その負担した」を「、その負担した」に、「免かれる」を「免れる」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
第四節 遺言の執行 第四節 遺言の執行  
(遺言書の検認)    
第千四条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。 第千四条 遺言書の保管者は、相続の開始を知つた後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様である。 第千四条に見出しとして「(遺言書の検認)」を付し、同条第一項中「知つた」を「知った」に、「である」を「とする」に改め、
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。 2 前項の規定は、公正証書による遺言には、これを適用しない。 同条第二項中「遺言に」の下に「ついて」を加え、「これを」を削り、同項に項番号を付し、
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。 3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会を以てしなければ、これを開封することができない。 同条第三項中「立会を以てしなければ、これを」を「立会いがなければ、」に改め、同項に項番号を付する。
(過料)    
第千五条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。 第千五条 前条の規定によつて遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処せられる。 第千五条に見出しとして「(過料)」を付し、同条中「よつて」を「より」に、「処せられる」を「処する」に改める。
(遺言執行者の指定)    
第千六条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。 第千六条 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。 第千六条に見出しとして「(遺言執行者の指定)」を付し、同条第二項及び第三項に項番号を付する。
2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。 2 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。  
3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。 3 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。  
(遺言執行者の任務の開始)    
第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。 第千七条 遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。 第千七条に見出しとして「(遺言執行者の任務の開始)」を付する。
(遺言執行者に対する就職の催告)    
第千八条 相続人その他の利害関係人は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、遺言執行者が、その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。 第千八条 相続人その他の利害関係人は、相当の期間を定め、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨を遺言執行者に催告することができる。若し、遺言執行者が、その期間内に、相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。 第千八条に見出しとして「(遺言執行者に対する就職の催告)」を付し、同条中「利害関係人は」の下に「、遺言執行者に対し」を加え、「定め」を「定めて」に、「を遺言執行者に催告する」を「の催告をする」に、「若し」を「この場合において」に、「、相続人に」を「相続人に」に改める。
(遺言執行者の欠格事由)    
第千九条 未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。 第千九条 未成年者及び破産者は、遺言執行者となることができない。 第千九条に見出しとして「(遺言執行者の欠格事由)」を付する。
(遺言執行者の選任)    
第千十条 遺言執行者がないとき、又はなくなったときはの指定をして、これを相続人に通知しなければならない。 第千十条 遺言執行者が、ないとき、又はなくなつたときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によつて、これを選任することができる。 第千十条に見出しとして「(遺言執行者の選任)」を付し、同条中「、ない」を「ない」に、「なくなつた」を「なくなった」に、「よつて」を「よって」に改める。
(相続財産の目録の作成)    
第千十一条 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、相続人に交付しなければならない。 第千十一条 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を調製して、これを相続人に交付しなければならない。 第千十一条に見出しとして「(相続財産の目録の作成)」を付し、同条第一項中「調製して、これを」を「作成して、」に改め、
2 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会いをもって相続財産の目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。 2 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会を以て財産目録を調製し、又は公証人にこれを調製させなければならない。 同条第二項中「立会を以て財産目録を調製し」を「立会いをもって相続財産の目録を作成し」に、「調製させなければ」を「作成させなければ」に改め、同項に項番号を付する。
(遺言執行者の権利義務)    
第千十二条 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 第千十二条 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。 第千十二条に見出しとして「(遺言執行者の権利義務)」を付し、
2 第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十条の規定は、遺言執行者について準用する。 2 第六百四十四条 乃至第六百四十七条 及び第六百五十条 の規定は、遺言執行者にこれを準用する。 同条第二項中「乃至第六百四十七条」を「から第六百四十七条まで」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)    
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。 第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。 第千十三条に見出しとして「(遺言の執行の妨害行為の禁止)」を付する。
(特定財産に関する遺言の執行)    
第千十四条 前三条の規定は、遺言が相続財産のうち特定の財産に関する場合には、その財産についてのみ適用する。 第千十四条 前三条の規定は、遺言が特定財産に関する場合には、その財産についてのみこれを適用する。 第千十四条に見出しとして「(特定財産に関する遺言の執行)」を付し、同条中「特定財産」を「相続財産のうち特定の財産」に改め、「これを」を削る。
(遺言執行者の地位)    
第千十五条 遺言執行者は、相続人の代理人とみなす。 第千十五条 遺言執行者は、これを相続人の代理人とみなす。 第千十五条に見出しとして「(遺言執行者の地位)」を付し、同条中「これを」を削る。
(遺言執行者の復任権)    
第千十六条 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 第千十六条 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。但し、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。 第千十六条に見出しとして「(遺言執行者の復任権)」を付し、同条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
2 遺言執行者が前項ただし書の規定により第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第百五条に規定する責任を負う。 2 遺言執行者が前項但書の規定によつて第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第百五条 に定める責任を負う。 同条第二項中「前項但書」を「前項ただし書」に、「よつて」を「より」に、「定める」を「規定する」に改め、同項に項番号を付する。
(遺言執行者が数人ある場合の任務の執行)    
第千十七条 遺言執行者が数人ある場合には、その任務の執行は、過半数で決する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千十七条 数人の遺言執行者がある場合には、その任務の執行は、過半数でこれを決する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千十七条に見出しとして「(遺言執行者が数人ある場合の任務の執行)」を付し、同条第一項中「数人の遺言執行者が」を「遺言執行者が数人」に改め、「これを」を削り、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
2 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。 2 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。 同条第二項に項番号を付する。
(遺言執行者の報酬)    
第千十八条 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。ただし、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。 第千十八条 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によつて遺言執行者の報酬を定めることができる。但し、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。 第千十八条に見出しとして「(遺言執行者の報酬)」を付し、同条第一項中「よつて」を「よって」に改め、同項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、
2 第六百四十八条第二項及び第三項の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。 2 遺言執行者が報酬を受けるべき場合には、第六百四十八条第二項 及び第三項 の規定を準用する。 同条第二項を次のように改める。 2 第六百四十八条第二項及び第三項の規定は、遺言執行者が報酬を受けるべき場合について準用する。
(遺言執行者の解任及び辞任)    
第千十九条 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。 第千十九条 遺言執行者がその任務を怠つたときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。 第千十九条に見出しとして「(遺言執行者の解任及び辞任)」を付し、同条第一項中「怠つた」を「怠った」に改め、
2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。 2 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。 同条第二項に項番号を付する。
(委任の規定の準用)    
第千二十条 第六百五十四条及び第六百五十五条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合について準用する。 第千二十条 第六百五十四条 及び第六百五十五条 の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合にこれを準用する。 第千二十条に見出しとして「(委任の規定の準用)」を付し、同条中「これを」を「ついて」に改める。
(遺言の執行に関する費用の負担)    
第千二十一条 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。ただし、これによって遺留分を減ずることができない。 第千二十一条 遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。但し、これによつて遺留分を減ずることができない。 第千二十一条に見出しとして「(遺言の執行に関する費用の負担)」を付し、同条ただし書中「但し」を「ただし」に、「よつて」を「よって」に改める。
第五節 遺言の撤回及び取消し 第五節 遺言の取消 「第五節 遺言の取消」を「第五節 遺言の撤回及び取消し」に改める。
(遺言の撤回)    
第千二十二条 遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。 第千二十二条 遺言者は、何時でも、遺言の方式に従つて、その遺言の全部又は一部を取り消すことができる。 第千二十二条に見出しとして「(遺言の撤回)」を付し、同条中「何時でも」を「いつでも」に、「従つて」を「従って」に、「取り消す」を「撤回する」に改める。
(前の遺言と後の遺言との抵触等)    
第千二十三条 前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす。 第千二十三条 前の遺言と後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を取り消したものとみなす。 第千二十三条に見出しとして「(前の遺言と後の遺言との抵触等)」を付し、同条第一項中「前の遺言と」を「前の遺言が」に、「取り消した」を「撤回した」に改め、
2 前項の規定は、遺言が遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合について準用する。 2 前項の規定は、遺言と遺言後の生前処分その他の法律行為と抵触する場合にこれを準用する。 同条第二項中「遺言と」を「遺言が」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)    
第千二十四条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。 第千二十四条 遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を取り消したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様である。 第千二十四条に見出しとして「(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)」を付し、同条中「取り消した」を「撤回した」に、「である」を「とする」に改める。
(撤回された遺言の効力)    
第千二十五条 前三条の規定により撤回された遺言は、その撤回の行為が、撤回され、取り消され、又は効力を生じなくなるに至ったときであっても、その効力を回復しない。ただし、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。 第千二十五条 前三条の規定によつて取り消された遺言は、その取消の行為が、取り消され、又は効力を生じなくなるに至つたときでも、その効力を回復しない。但し、その行為が詐欺又は強迫による場合は、この限りでない。 第千二十五条に見出しとして「(撤回された遺言の効力)」を付し、同条中「よつて取り消された」を「より撤回された」に、「取消の行為が」を「撤回の行為が、撤回され」に、「至つたときでも」を「至ったときであっても」に改め、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(遺言の撤回権の放棄の禁止)    
第千二十六条 遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。 第千二十六条 遺言者は、その遺言の取消権を放棄することができない。 第千二十六条に見出しとして「(遺言の撤回権の放棄の禁止)」を付し、同条中「遺言の取消権」を「遺言を撤回する権利」に改める。
(負担付遺贈に係る遺言の取消し)    
第千二十七条 負担付遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行の催告をすることができる。この場合において、その期間内に履行がないときは、その負担付遺贈に係る遺言の取消しを家庭裁判所に請求することができる。 第千二十七条 負担附遺贈を受けた者がその負担した義務を履行しないときは、相続人は、相当の期間を定めてその履行を催告し、若し、その期間内に履行がないときは、遺言の取消を家庭裁判所に請求することができる。 第千二十七条に見出しとして「(負担付遺贈に係る遺言の取消し)」を付し、同条中「負担附遺贈」を「負担付遺贈」に、「を催告し、若し」を「の催告をすることができる。この場合において」に、「遺言の取消」を「その負担付遺贈に係る遺言の取消し」に改める。
第八章 遺留分 第八章 遺留分  
(遺留分の帰属及びその割合)    
第千二十八条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額を受ける。 第千二十八条 兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として、左の額を受ける。 第千二十八条に見出しとして「(遺留分の帰属及びその割合)」を付し、同条中「左の額」を「次の各号に掲げる区分に応じてそれぞれ当該各号に定める割合に相当する額」に改め、同条各号を次のように改める。
一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一 一 直系尊属のみが相続人であるときは、被相続人の財産の三分の一 一 直系尊属のみが相続人である場合 被相続人の財産の三分の一
二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一 二 その他の場合には、被相続人の財産の二分の一 二 前号に掲げる場合以外の場合 被相続人の財産の二分の一
(遺留分の算定)    
第千二十九条 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除して、これを算定する。 第千二十九条 遺留分は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加え、その中から債務の全額を控除して、これを算定する。 第千二十九条の前に見出しとして「(遺留分の算定)」を付し、同条第一項中「加え、その中」を「加えた額」に改め、
2 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従って、その価格を定める。 2 条件附の権利又は存続期間の不確定な権利は、家庭裁判所が選定した鑑定人の評価に従つて、その価格を定める。 同条第二項中「条件附」を「条件付き」に、「選定した」を「選任した」に、「従つて」を「従って」に改め、同項に項番号を付する。
第千三十条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によりその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与をしたときは、一年前の日より前にしたものについても、同様とする。 第千三十条 贈与は、相続開始前の一年間にしたものに限り、前条の規定によつてその価額を算入する。当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知つて贈与をしたときは、一年前にしたものでも、同様である。 第千三十条中「よつて」を「より」に、「知つて」を「知って」に、「一年前」を「一年前の日より前」に、「ものでも」を「ものについても」に、「である」を「とする」に改める。
(遺贈又は贈与の減殺請求)    
第千三十一条 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するのに必要な限度で、遺贈及び前条に規定する贈与の減殺を請求することができる。 第千三十一条 遺留分権利者及びその承継人は、遺留分を保全するに必要な限度で、遺贈及び前条に掲げる贈与の減殺を請求することができる。 第千三十一条に見出しとして「(遺贈又は贈与の減殺請求)」を付し、同条中「保全するに」を「保全するのに」に、「掲げる」を「規定する」に改める。
(条件付権利等の贈与又は遺贈の一部の減殺)    
第千三十二条 条件付きの権利又は存続期間の不確定な権利を贈与又は遺贈の目的とした場合において、その贈与又は遺贈の一部を減殺すべきときは、遺留分権利者は、第千二十九条第二項の規定により定めた価格に従い、直ちにその残部の価額を受贈者又は受遺者に給付しなければならない。 第千三十二条 条件附の権利又は存続期間の不確定な権利を贈与又は遺贈の目的とした場合において、その贈与又は遺贈の一部を減殺すべきときは、遺留分権利者は、第千二十九条第二項の規定によつて定めた価格に従い、直ちにその残部の価額を受贈者又は受遺者に給付しなければならない。 第千三十二条に見出しとして「(条件付権利等の贈与又は遺贈の一部の減殺)」を付し、同条中「条件附」を「条件付き」に、「よつて」を「より」に改める。
(贈与と遺贈の減殺の順序)    
第千三十三条 贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない。 第千三十三条 贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、これを減殺することができない。 第千三十三条に見出しとして「(贈与と遺贈の減殺の順序)」を付し、同条中「これを」を削る。
(遺贈の減殺の割合)    
第千三十四条 遺贈は、その目的の価額の割合に応じて減殺する。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千三十四条 遺贈は、その目的の価額の割合に応じてこれを減殺する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。 第千三十四条に見出しとして「(遺贈の減殺の割合)」を付し、同条中「これを」を削り、同条ただし書中「但し」を「ただし」に改める。
(贈与の減殺の順序)    
第千三十五条 贈与の減殺は、後の贈与から順次前の贈与に対してする。 第千三十五条 贈与の減殺は、後の贈与から始め、順次に前の贈与に及ぶ。 第千三十五条に見出しとして「(贈与の減殺の順序)」を付し、同条中「始め、順次に前の贈与に及ぶ」を「順次前の贈与に対してする」に改める。
(受贈者による果実の返還)    
第千三十六条 受贈者は、その返還すべき財産のほか、減殺の請求があった日以後の果実を返還しなければならない。 第千三十六条 受贈者は、その返還すべき財産の外、なお、減殺の請求があつた日以後の果実を返還しなければならない。 第千三十六条に見出しとして「(受贈者による果実の返還)」を付し、同条中「外、なお」を「ほか」に、「あつた」を「あった」に改める。
(受贈者の無資力による損失の負担)    
第千三十七条 減殺を受けるべき受贈者の無資力によって生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。 第千三十七条 減殺を受けるべき受贈者の無資力によつて生じた損失は、遺留分権利者の負担に帰する。 第千三十七条に見出しとして「(受贈者の無資力による損失の負担)」を付し、同条中「よつて」を「よって」に改める。
(負担付贈与の減殺請求)    
第千三十八条 負担付贈与は、その目的の価額から負担の価額を控除したものについて、その減殺を請求することができる。 第千三十八条 負担附贈与は、その目的の価額の中から負担の価額を控除したものについて、その減殺を請求することができる。 第千三十八条に見出しとして「(負担付贈与の減殺請求)」を付し、同条中「負担附贈与」を「負担付贈与」に、「の中から」を「から」に改める。
(不相当な対価による有償行為)    
第千三十九条 不相当な対価をもってした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってしたものに限り、これを贈与とみなす。この場合において、遺留分権利者がその減殺を請求するときは、その対価を償還しなければならない。 第千三十九条 不相当な対価を以てした有償行為は、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知つてしたものに限り、これを贈与とみなす。この場合において、遺留分権利者がその減殺を請求するときは、その対価を償還しなければならない。 第千三十九条に見出しとして「(不相当な対価による有償行為)」を付し、同条中「以て」を「もって」に、「知つて」を「知って」に改める。
(受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等)    
第千四十条 減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。ただし、譲受人が譲渡の時において遺留分権利者に損害を加えることを知っていたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。 第千四十条 減殺を受けるべき受贈者が贈与の目的を他人に譲り渡したときは、遺留分権利者にその価額を弁償しなければならない。但し、譲受人が譲渡の当時遺留分権利者に損害を加えることを知つたときは、遺留分権利者は、これに対しても減殺を請求することができる。 第千四十条に見出しとして「(受贈者が贈与の目的を譲渡した場合等)」を付し、同条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に、「当時」を「時において」に、「知つた」を「知っていた」に改め、
2 前項の規定は、受贈者が贈与の目的につき権利を設定した場合について準用する。 2 前項の規定は、受贈者が贈与の目的の上に権利を設定した場合にこれを準用する。 同条第二項中「目的の上に」を「目的につき」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(遺留分権利者に対する価額による弁償)    
第千四十一条 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免れることができる。 第千四十一条 受贈者及び受遺者は、減殺を受けるべき限度において、贈与又は遺贈の目的の価額を遺留分権利者に弁償して返還の義務を免かれることができる。 第千四十一条に見出しとして「(遺留分権利者に対する価額による弁償)」を付し、同条第一項中「免かれる」を「免れる」に改め、
2 前項の規定は、前条第一項ただし書の場合について準用する。 2 前項の規定は、前条第一項但書の場合にこれを準用する。 同条第二項中「前条第一項但書」を「前条第一項ただし書」に、「これを」を「ついて」に改め、同項に項番号を付する。
(減殺請求権の期間の制限)    
第千四十二条 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。 第千四十二条 減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があつたことを知つた時から、一年間これを行わないときは、時効によつて消滅する。相続の開始の時から十年を経過したときも、同様である。 第千四十二条に見出しとして「(減殺請求権の期間の制限)」を付し、同条中「あつた」を「あった」に、「知つた」を「知った」に、「、一年間これを行わない」を「一年間行使しない」に、「よつて」を「よって」に、「の開始の」を「開始の」に、「である」を「とする」に改める。
(遺留分の放棄)    
第千四十三条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。 第千四十三条 相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力を生ずる。 第千四十三条に見出しとして「(遺留分の放棄)」を付し、同条第二項に項番号を付する。
2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。 2 共同相続人の一人のした遺留分の放棄は、他の各共同相続人の遺留分に影響を及ぼさない。  
(代襲相続及び相続分の規定の準用)    
第千四十四条 第八百八十七条第二項及び第三項、第九百条、第九百一条、第九百三条並びに第九百四条の規定は、遺留分について準用する。 第千四十四条 第八百八十七条第二項、第三項、第九百条、第九百一条、第九百三条及び第九百四条の規定は、遺留分にこれを準用する。 第千四十四条に見出しとして「(代襲相続及び相続分の規定の準用)」を付し、同条中「、第三項」を「及び第三項」に、「及び」を「並びに」に、「これを」を「ついて」に改める。